ひろこの睡眠学習帖

寝言のようなことばかり言っています。

もしも私がルパンなら。

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今週のお題「芸術の秋」

 

「しっかし、ルパンよ。今回はさすがに無謀すぎやしないか? この展示会場にあるものを全て盗むっちゅうのは……」

「にょほほほほ。次元よ、オレ様を誰だと思ってんだ? かの怪盗アルセーヌルパンの孫、ルパァン三世だ。ムリだ、ムボウだと言われると、余計に張り切っちゃうもんねー! この国宝はぜぇえんぶ、オレ様がいただいちゃうもんねー

 

 

私の頭の中で、アニメ「ルパン三世」の声と映像がチラチラと流れていた。

もしも、私がルパンなら、この機会にお宝をがっぽり自分のものにしたい……、いや、してやろうじゃないか! と計画するだろうなあ……と、巨大な大日如来像の前で罰当たりなことをぼんやりと考えたのだった。

私のすぐ隣には、「ありがたや、ありがたや……」と手を合わせて拝んでいるような仕草をしている上品なおばあちゃんがいるというのに。

 

10月のはじめに、京都国立博物館で開催されている「国宝展」を見に行ってきた。大阪の実家に帰る予定があったため、タイミングもちょうど良かった。その時発売されていた、雑誌BURTUSでも国宝展の特集が組まれていた。予習、というわけでもないけれど、どんな物が展示されているのかな? と興味本意で購入し、新幹線のなかでペラペラとめくっていた。

国宝展は2017年10月3日(火)から11月26日(日)までの開催期間中に、Ⅰ期からⅣ期と分けて展示されている品が変わっていくのだという。

私見に行ったのは、国宝展が始まったばかりのⅠ期の時だった。

時期によって展示品が変わるのは、長い期間行われる展示会などでは良くあることだ。

ちなみに、開催期間は、以下のようになっている。

Ⅰ期 10月3日(火)~15日(日)

Ⅱ期 10月17日(火)~29日(日)

Ⅲ期 10月31日(火)~11月12日(日)

Ⅳ期 11月14日(火)~11月26日(日)

 

私は、Ⅰ期に展示されていた「地獄絵図」がみたかったので、ちょうどよかった。

けれど、Ⅱ期にも足を運びたかった。それは、「曜変天目」というお茶碗が展示されていたからだ。工芸品にあまり詳しくな人でも、なんか、聞いたことあるかも? と思われるかもしれない。少し前に「開運! なんでも鑑定団」という番組で「本物か? 偽物か?」と、あまり良い意味ではないけれど話題になったお茶碗。

何がそれほど話題になるのか、と思うかもしれないけれど、一目見ると虜になってしまうほど不思議な輝きを放っているお茶碗なのだ。現代技術でも再現することが難しいとされていて研究が重ねられているほどだ。

その、瑠璃色とも玉虫色とも言えない光を放つお茶碗を一目見てみたかった。けれど、Ⅱ期に展示されていたため、京都国立博物館では残念ながら目にすることはできなかった。

 

 国宝なんて、興味ないよ、という人でもおそらくこの展示を見に行くと興奮するんじゃないかなと思う。

なぜなら、「あ! 教科書でみたことある!」というようなものばかりがずらりと並んでいるからだ。きらびやかな道具類、掛け軸、蒔絵、工芸品、書、仏像、刀、鎧……。

「これ! 知ってる!」というものが、おそらくひとつはあるはずだ。とにかく日本各地に散らばっている日本のお宝が一同に集まっているのだ。

何にも知らないと、「なにこれ。全然つまんない」と思うだろうけれど。展示されている中で、ひとつでも知っているものがあれば、やはり興味がムクムクと湧き上がってくるものだと思う。

特に、国宝だからって、ありがたがる必要もないのだろう。けれど、どれも日本における美術品、工芸品では「最上級」の物であることは間違いない。それらを目の当たりにすることで、いままで知らなかった物に対して興味の芽がニョキっと生えるかもしれない。私自身で言えば「地獄絵図」を見に行ったのだけれど、仏像の美しさにも目を奪われた。(なんとなく、罰当たりなことも、その仏像のフロアで思ってしまったのだけれど)

どれをみても「国宝」というのは、なかなかない機会だろう。現に今年(2017年)の前はいつ開催されたのか調べると2000年に開催されていたとある。また、次でいいや、と思っても、次はいつになるかちょっと予想できない。

京都まで、ふらりと足を運んで……というのはなかなか難しいかもしれないけれど、Ⅲ期の残りわずかと、Ⅳ期の展示を見るチャンスはまだ残っている。

混雑しているかもしれないけれど、足を運んでみる価値はあると思う。