ひろこの睡眠学習帖

寝言のようなことばかり言っています。

この本を読むと、チョコボールを買いたくなる

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今週のお題「読書の秋」

 

ここ最近、気になる本がたくさんある。秋だから、ということでもない。年がら年中、本を読んでいても、読みたい本、そして読めずにいる本がたくさんある。読めずに溜まっていく本のことを「積ん読」と、世間では呼んでいるらしい。我が家にも、「つんどく山」はいくつかあって、山に登りたくても登れないなあと、チラチラ横目で眺めている。

 

読めずにいる本、といっても「次はこれを読む」という順番は一応決めている。けれど、本屋での心トキメク運命の出会いをしてしまうと、順番通りには読んでいられない。あろうことか、上下巻の上巻と下巻の間に、ときめき本を読んでしまうことすらある。

 

最近、私が決めていた順番を抜かして「今すぐ読みたい!」となった本がある。

それは「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ」というタイトル。著書はタイトルに書いてある通り、鳥類学の研究者、川上和人さん。

 

学者が書いた本なんて、難しい内容で一瞬で眠くなるんじゃない? そう思う人もいるだろう。もちろん、そういったキチンとした内容の本も世の中には山ほどある。しかし、この本はキチンとしている堅い本、と言い切るのは難しい。

内容は、もちろん鳥に関する研究について、だ。だけど、「小ネタ」がこれでもか! と散りばめられていて、むしろ川上先生のアニメへの造詣の深さに感心するほどだ。鳥への興味よりも、突然現れるジョジョの名言であるとか、ルパン三世のエンディングテーマだとか。軽妙な語り口で進んでいくため、読者をまったく飽きさせることがない。だけど、これは著者のサービス精神なのだと思う。難しく書こうと思えばいくらでも難しく書けるのだから。それを、あえて「なにこれ? 鳥類学関係ないやん!」と思わず笑ってしまうほど、ジブリやらドラゴンボールやらのネタが練りこまれているのだ。

さらに、鳥類の分類について言えば「キョロちゃん」を例えに出しながら説明している。キョロちゃん、をご存知ない方もいるかも知れないので、念のために森永のお菓子「チョコボール」のパッケージに描かれているキャラクタだ。キョロちゃんは、なんと、鳥類だという。これまで一度も気にかけたことはなかったけれど、確かに本を読んでいると「そうだなぁ」と思わずにはいられないのだ。

 

もちろん、生態系に影響を与えてしまう出来事や、外来種の問題など真剣に考えなければならないテーマも含まれている。それらの問題に対して真っ向から説明するのではなく、いかにおもしろく読者に伝えられるかを考えられた内容だ。

学者が書いた本は難しくて読む気にならない、と毛嫌いしないで、チョコボールでもつまみながら読んでみてほしい。