ひろこの睡眠学習帖

寝言のようなことばかり言っています。

「行くつもり」だと、いつまでたっても行けない場所。

今週のお題「行ってみたい場所」

 

その場所には、本当に行くつもりだった。

ずっと憧れていた場所で、ぜひとも一度行ってみたいと何度も繰り返し言っていた。同行者も、行ってみたいと賛同してくれたので、絶好のチャンスだった。

けれど、日程を決めるのに手間取ってしまったため、宿泊先が満室になり、あれよあれよと行けなくなってしまった。

 

その場所の名前は、波照間島

日本の最南端。

 

波照間島に行く計画を立てていたのは、新婚旅行だった。夫の仕事の関係で、休暇の申請がなかなかできずにいた。

「せっかくだから、1週間くらい休みを取りたい」と夫も張り切っていたけれど、はじめに考えていた日程は、出張に行かなければならないなど、新婚旅行の日程が決められずにいた。

 

場所だけが先に決まっていても仕方ない。ガイドブックをくまなく見るばかりで、ムダに知識だけが増えていく。

 

結局、日程を決められた時には宿は確保できなくなっていた。もしかしたら民宿とか島にある泊まる場所すべてに連絡していれば、ひとつくらいは空いていたかも知れない。

けれど、私も夫も、旅行に行くまえからすでに疲れていて、波照間島への想いが少し薄れてしまっていた。

「他の島でもいいんじゃない? 西表島とか」

夫のひとことて、じゃあ西表島で、宿とか確認してみよう! となった。

西表島は島が大きい、ということもあったのか、宿泊できるホテルも空いていた。日程もギリギリ合わせられそうだったので、新婚旅行は西表島に決定した。

 

結果的には、西表島も素晴らしかった。普通にレンタカーでダラダラと走っているだけでも珍しい昆虫や、鳥を見かけたし、海もとてもキレイだった。もちろんイリオモテヤマネコには会えなかった。住んでいる人たちですら、会えない生きものだから、そう簡単にはお目にかかれなくて当然だけれど。

 

だけど、西表島からの帰りのフェリーで、「ああ、あっちの方角には波照間島があるだなぁ」と思うと、ちょっと悲しい気持ちも込み上げてきた。

 

最近、知り合いの人が言っていたことが、ものすごく腑に落ちた。それは、

「なかなか行けない! とか書かれている場所には、突発的には、なかなか行けないだけ。きちんと予定を立てて、いつの時期ならば天候などの影響も受けないか、などをバッチリ調べあげる。そして、その期間に、何がなんでも休みをとる。そうすれば、戦争とかの国際情勢に問題がなければ大体いける。本当に行きたいなら、下準備が必要だ」というようなことだった。

 

本当に、その通りだなと思う。突然休みが取れたから旅行に行こう! と思うのは間違いじゃない。その時に、いける範囲で予定を立てれば良い。その突然の休みで、「あこがれの、あの場所に行けるかな?」と考えるのは、悪いことじゃない。けれど、行けないことも多いだろう。私だけのあこがれの場所じゃなくて、多くの人にとってもあこがれの場所だからだ。綿密な計画を立てている人がいて、すでに予約で一杯だ。

 

今のところ、波照間島への旅行計画を立てるのは難しい。けれど、いつか行きたいと思い続けているのは確かだ。なんとなく行けることになって、ということは、恐らくあり得ない。いつ行くつもりにするか、泳ぎたいならば何月から何月までなら大丈夫かなど調べて、狙いを定めてから前もって休みをとってやるのだ、ということだけ心に決めている。