ひろこの睡眠学習帖

寝言のようなことばかり言っています。

夏の終わりの夜をみる。

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「あっという間に夏も終わりだなぁ……」

誰に、というわけでももなくポツリとつぶやく。

 

2017年の夏は、本当にいつの間にか終わりを迎えることになった。

ありがたいというか、なんというか、仕事が忙しく立て込んでいてお盆休みも返上で毎日仕事に行った。

あまりにも疲れが溜まり、顔面から足の裏まで、じんましんが隈なく身体中に出て「さすがに今日1日は仕事休みなさい」と薬だけもらいに行った病院でドクターストップをかけられた。その1日だけ休んで、あとはずっと仕事だったと思う。だけどあまりにもあっと言う間過ぎて、むしろもう遠い昔のことのようにも感じる。

「7月って、何してたっけ……?」

とこのブログを書くために思い出そうとするけれど、全然思い出せない。記憶障害かな? と思うほどに何も覚えていない。

ちょっと怖くなって、慌てて手帳を見てみる。7月のはじめにはライブに行っているし、お友達とランチしたり。それなりに充実しているようにも思うし、手帳を見てようやく「ああ、そうだった! ライブ、メッチャ良い席だったなあ」と思い出したりした。

楽しくて、宝石のようにキラキラ輝いている思い出たち。それは、いつの間にか箱にしまわれて深い海底に沈められてしまっている。宝探しに出かけなければ、思い出せないほどに。

ただ、その宝石のような輝きは、決して曇ることはない。着倒して、洗濯しすぎで色あせたTシャツは色あせてしまう。けれどそのTシャツには毎日の何気ない記憶、例えば寝転んでアイスを食べたこととか、汗だくになりながら駅まで歩いたことなんかが染み込んでいて、輝いている。色あせたTシャツは、共にこの夏を戦い抜いた仲間なのだから。

 

それにしても、毎日仕事を頑張っていたはずなのに状況は変わらない。

ちょっとウンザリしながら、満員電車に揺られて帰る。

帰宅時に自宅の最寄りのバス停で降りて、とぼとぼ家までの道を歩く。

そんな時、いつもふと空を見上げていた。曇っていることも多かった、今年の夏。

けれど、空にぽかりと月が浮かんでいるのを見たとき、ちょっとホッとした。

満ちたり、欠けたりしているけれど。

ふと見ると、いつもそこにあって、「ああ今日も一日がんばったな」となぜか月に向かって、ため込んでいた息を、ふうっと吐き出して歩いていた。

今年の夏は、月に助けられていたんだなあ、と思う。

 

この三日月の写真は、ピンボケだし、全然さえなくてキレイでも何でもないけれど、

私の今年の夏、そのものだと思う。