テストのヤマを当てるには、ロバート秋山になればいい
今週のお題「テスト」
私が大学生だったのが、もう15年以上も前のことかと思うと愕然とする。
ちょうど7月には前期終了のテストがあって、結構大変だったなあと思い返してみる。私はあんまり、というか全然要領が良くない。出席をとらない授業なんて、受けなくていいってことでしょ? という周りの友達が羨ましかった。授業に出なくても、理解できるなんてすごいなあと思っていた。
朝一番の授業には、何度か遅刻してしまったけれど、だいたいの授業にキチンと出席していた。
大学教授っていう人たちは、みんな結構「クセ」がすごい。千鳥のノブのネタか? と思うほどに。話し方のクセがすごい。髪型のクセがすごい。怒りだすポイントのクセがすごい人もいた。
私は授業中、講義内容はノートを取っていたけれど、教授を観察する、というのも欠かさなかった。クセがありすぎて苦手な教授もいたけれど、講義を聞いているぶんには何も問題なかった。
「ここが大事だからね!」と言ってくれる教授もいたけれど、大事といわれても丸暗記すればいいのか、何かアレンジして出題してくるのかは、わからない。
過去問が出回ったりもしたけれど、教授達はだいたい揃って気まぐれで、それもあまりあてにはできなかった。
テスト期間が近づくにつれ、私のノートを借りたいという友人もいた。授業を受けずにノートだけを見て理解できるなんてすごいなあと、ボンヤリしている私は思っていたけれど、友人達も「どこが出そう?」なんて聞いてきくる。そんなことなら、ちゃんと授業に出てればいいのにと、チクリと嫌みを言いながらノートを貸してあげた。
しかし、ノートをきちんと取っていても「何が出題されるか」は分からない。もちろん、何から何まで理解していれば問題ないのだけれど。
ある時、私はノートを見返しながら、「クセのすごい教授達」に成りきってみた。時には口グセとかつぶやきながら、講義内容を思い返す。
私が、この教授なら……。
そう思いながらノートを見返し続けていくと「私ならここを、こんなふうに出題する!」というポイントがキラリとひらめくのだ。
……何それ? と思われるかもしれないけれど、事実なのである。
教授に、なりきって考えてみるのだ。
この授業を通して、1番言いたかったポイントは何? 何を理解しているか、教授は何を気にしてる? 私が教授ならば、今回の授業でどこのポイントをテストに出したい?
ちょっとイジワルな教授なら、多分こんな感じかな? あの教授は多分ここを出題するだろう。
なりきってみると、案外答えが見えてくるのだ。
私がこの方法でテストに挑み続け、一度も出席していなかった友人達に「多分、ここと、ここを、こんな風に出題すると思う」とアドバイスした。結果的に、私も友人達も、かなりの好成績だった。
なりきり勉強法は、受験には全く通用しない。
けれど、「この場面では、何を求められているか? 相手が求めている回答はどれか?」を考える習慣は、これまでの人生でかなり役に立っている。相手の顔色を伺っているのではなくて、相手の思考を先回りして考える、ということだ。
この立場の人なら、この職業の人なら、どんなことを言うだろうか? それを考えてみると良いと思う。
ある人になりきる、というのはロバート秋山さんのクリエイターズファイルがまさにそれだ。
なりきることで「この人、こんなこと言いそう!」だと思わせ、実在しているかのような人物像を作り上げている。
いろいろな人を観察しているからこそできる芸だと思う。
その点、教授になりきるのは簡単だ。目の前にいるのだから、観察すれば良い。授業を通して観察すれば、自ずと答えは見えてくるのだ。
大学前期の試験には間に合わないかもしれないけれど、ぜひ一度、お試しあれ。