歯ブラシみたいなココロについて
朝起きてすぐと、眠る前の1日2回。
歯をみがく。
もう四捨五入したら40歳なのに、どうかと思うけれど、私は歯をみがくのがヘタくそだ。
歯みがきがヘタだなんて、意識したこともなかった。小学生の時に、「歯の衛生月間」のようなものがあった。みがき残しがあるかどうかを調べるために、何やら口の中が真っ赤になる錠剤みたいなものをいれて、みがく、というのがあった。鏡を見ないでみがいて、歯が赤くなければ、きちんとみがけている。赤い箇所があれば、その部分はみがけていない。みがき残しがあるから、ムシ歯になりやすい、ということだった。
私はいつも、上の前歯をみがき残していた。どうも、すこしへこんでいるために、うまくみがけないようだった。意識して、前歯を一本ずつ、歯ブラシを縦に使ってみがきなさいと何度も指導された。
また、歯ブラシも、こまめに新しくしなさいと言われた。どうやら、力強くゴシゴシみがいているらしかった。歯ブラシが毛羽立って、ブラシの先端がアッチコッチ向いてしまう。そんなブラシでは、前歯はうまくみがけないし、前歯以外に歯もうまくみがいていないのだという。
ふーん。そっか。
小学生の私は、あんまり気にもとめずにいた。真っ赤な前歯は、ちょっとショックだっだけれど、「口の中が血だらけやー」と言いながら、ふざけていた。
歯みがきなんて、毎日する、もはや習慣のようなものだ。
だけど、無意識のうちに手を動かしていると、いつものクセがでて、みがき残しがある。歯垢や歯石になってしまったり、ムシ歯になってしまうのだ。
細部まで意識して、手を動かさなきゃいけない。たかが歯みがきでも、そうなのだ。私は。
歯みがき以外では、どうだろう? いつものことだと、無意識に行動して、あとから後悔してないかな? ふと、そう考えてみる。
朝から、けばけばした歯ブラシみたいな気持ちで、夫にきつく当たってしまった。ケバだった、いらいらした気持ちを深呼吸してリセットしよう。新しい歯ブラシに取り替えるように。
さて、ていねいに前歯を磨くように、今日もがんばろう。
クセだらけの思考はやめて、柔軟で、細やかな仕事ができるように。今日も1日、がんばりたい。