憧れの、野球部
今週のお題「部活動」
私は高校生のとき、すごく憧れている部活があった。
それは、野球部。
大阪に住んでいたこともあり、甲子園は、身近な存在だった。身近、といってもただ、「割と近い距離にある場所」というだけなのだけれど。
しかし。
私が通う高校には、なぜか野球部が存在しなかった。
体育系の部が無かった訳じゃない。
サッカー部やバスケ部、バレー部といったメジャーなものはある。
ラグビー部や、ハンドボール部といった、野球部よりは、メジャーとは言い切れない部もあった。
それなのに。
野球部だけ、存在しなかった。
私は女子なので、野球部といっても入部するならマネージャーだ。
マネージャーになりたかったか? と改めて考えてみると、多分、ちょっとした憧れがあったのだと思う。
マネージャーに憧れるなら、他の部のマネージャーになればいいのだと思うけれど、それは違った。
「野球部のマネージャー」に、憧れていたのだ。
もうー、みんなユニフォームどろどろだよ〜! とか
甲子園、目指そうね! とか。
……言ってみたかった。
あだち充の名作「タッチ」の南ちゃんみたいな存在になりたかった……が、
南ちゃんは、野球部のマネージャーじゃなくても新体操部の部員だった。
我が高校には、新体操部もなかった。
さらに、双子の生徒もいなかった。
「タッチ」みたいなシチュエーションは、そうそう起きるものじゃあないなあと、改めて思う。
現実は思うようには、いかないものだけれど。
私はダラダラとした華道部員として高校生活を謳歌したのだった。