ひろこの睡眠学習帖

寝言のようなことばかり言っています。

魔法が使えても、やりたくないこと。

今週のお題「もしも魔法が使えたら」

 

魔法が使えたら、というお題ですが、魔法にもいろいろあるな、とふと思います。

 

全知全能的な魔法使いっていうのも、もちろんいますが。

例えば変身できるだけの魔法。呪文を唱えて「〇〇になぁれ〜」みたいなやつですね。サリーちゃんとか、秘密のアッコちゃんとか、ミンキーモモとか、クリーミーマミとか。......年代を物語ってますが。

単純に、誰かに変身したいかなあ? と考えてみてもあんまり思い浮かびません。魔法が使えたとしても、わたしはあんまり変身はしたくないのかもしれません。多分、男の人の方がイロイロ妄想するかもしれないですよね。

アンジャッシュの渡部さんに変身して、佐々木希さんとモニョモニョしたいとか、DAIGOさんに変身して、北川景子さんとムニュムニュしたいとか。まあ、イロイロあるでしょうね。

 

次に、空を飛べるやつ。

ホウキに乗ったり乗らなかったり。

ハリーポッターとか、サリーちゃんとか。

わたし、これは絶対にやりたくないんです。

なぜか? 簡単ですよ。

高所恐怖症だから、です。

何を好んで高いところに行くんですか? 絶対嫌です。しかも! ホウキのスピードが出るのもこわい。手を離してしまって即落下しますね。絶対に。

若返り、とか永遠の命とかもあんまり興味がありません。

一緒に暮らしているネコの寿命を伸ばせる(病気とかも治せる)なら使ってもいいかな? とは思いますが。わたし自身だけならば、いらんなぁと思います。永遠に生きるのは、多分しんどいと思うんですよね。嫌な時代もあるでしょうし。やっぱり限りがあるからこそ、「やったるでー!」とガムシャラになるんじゃないかなあと思うんです。

 

ここまで3つあげてみましたが。やっぱりどれもそんなにやりたくないなあと思います。

でも、ふと今思ったのは20年前とかを考えてみると、今は魔法を使ってるみたいにも感じます。スマホとか。ルンバとか。

自動ドアとかも、昔の人からしてみると

「なんや! 勝手に扉が開いたぞ? 魔法か!」って思うんですよね。きっと。

そう考えると、私たちはすでに魔法(のような道具、もしくは手品)使いなんだなぁと思います。

 

 

今週のお題「晴れたらやりたいこと」

今週のお題「晴れたらやりたいこと」

 

多分、かなりたくさんの方が書いてらっしゃるだろうし、考えていらっしゃると思いますが。

 

やっぱり、洗濯、これですよね……。

 

いえ、でもね。

今年はまだ「うわー、もう雨ばっかりやん!」っていうほど、梅雨空でもないですし。今のところ洗濯カゴの中はキレイなものです。

それでもちょっと、困ったことがあります。

 

土日に雨が、降るんですよねぇ……。

 

私は一応、月曜日から金曜日までフルタイムの仕事についています。

毎日の使用済みのタオルやら、衣類や下着なんかは、毎朝、洗濯します。

夫もいますので、洗濯物はふたりぶん。

たいした量じゃありませんので、とくに苦じゃないんです。

ただ、平日には「大物」を選択はできません。

ここでいう「大物」とは、シーツやら、タオルケットやら、猫が毛玉を吐き出してよごれてしまった敷物なんか、です。

 

私が住んでいる町はやたらと風が強くて、目を離した隙に、洗濯物が飛んでいってしまうこともあります。そのため、時々、様子を見にいかないと我が家のシーツがお隣のお庭に進入している、なんてこともあるのです。

 

普段欲しているような小物では、そんなことは、ほぼ、起きません。けれど「一枚布」で作られている物は、風邪を大きく受け止めて、ものすごく力を持ってしまうんですね。

あまりおわかりいただけないかも知れませんが、「忍者ハットリくん」が風呂敷で空を飛んで移動していましたが、まさにあんな感じ。布一枚あれば、空も飛べるはず、みたいな。

しっかりと洗濯バサミで止めていても物干し竿ごと、飛んじゃうぞ? みたいな。

 

……とにかく、油断がなりません。

土曜日か、日曜日に晴れてくれないと、洗濯できないないのです。

どうか、土日のどちらかが、晴れてくれますように!

 

 

 

家飲みのお供にどうぞ! 簡単おつまみのご紹介

今週のお題「家飲み」

 

プシュッ。

アルミ缶のプルタブを開ける瞬間。この瞬間のために今日一日を頑張ったんだー!

グラスに注がれる、黄金色の液体がシュワシュワと音を立てて弾けている。ああ、それで早く喉を潤わせて!

 

……っていうのが、去年の夏までは週末の楽しみでした。

しかし、残念なことに、なんやかんやありまして、「アルコールの摂取は控えて下さい」と身体からの通達を受けてしまい、あんまり飲めなくなってしまいました。やれやれ。私の夏の楽しみよー! 戻ってきてくれー!! とは思うのだけれど、仕方なし。

最近ではアルコールフリーのカクテルやらビールテイスト飲料も、結構おいしいなあと思えるようになりました。

 

さて、「家飲み」ということですが、私が一時期ハマっていた、おつまみをご紹介したいと思います。簡単ですが、見た目はあまりよろしくないかも知れません。そこは盛り付けるあなたの工夫次第! 何とかなるでしょう。

 

ご紹介したいおつまみは「豆腐サラダ」です。

 

えっ? 普通すぎ? ……そうかも知れませんが、後にはひけません。

では、レシピを。

【材料】

・豆腐 二丁 サラダ用とドレッシング用。3個パックの充填豆腐を使用する際には1.5パックずつ使ってもいいかも知れません。

かつお節  適量

かつおだしの素(顆粒。サラサラのパウダー状のものがオススメです) 適量

・マヨネーズ 適量

・めんつゆ又はしょうゆ こちらはお好きなものをどうぞ。濃口薄口どちらでも。

・薬味はお好みで。ネギやミョウガ、青じそ、すりごまも美味しいですね。

 

材料は以上です。薬味はあったらおいしいけれど、切ったりするのも面倒であればなくてもよし!豆腐とかつお節、マヨネーズとお醤油ちょっとがあればOKです。

作り方も至ってシンプル。

 

1. 豆腐(ドレッシング用)をつぶす。

スプーンやフォークなどでグチャグチャにつぶしてください。なめらかなペースト状にする必要はまったくないです。だいたい固形じゃなくなったなー、ぐらいで大丈夫です。

2.  つぶした豆腐の中にマヨネーズ、かつお節、かつおだしの素を入れて混ぜる。

2に分ける必要もないですよね。つぶしながら混ぜちゃってOKです。

小分けになっているかつお節パックは一袋まるまる入れちゃいます。だしの素は味の決め手になります。大さじ1ぐらい入れても大丈夫かと。使用するメーカーによって味が違いますから、そのへんはお好みで。私が好きなのは「ヤマキ」の小分けになっているだしの素。それをひとパックまるまる入れてました。だしの素をちょっとだけにするときはお醤油またはめんつゆで味を整えてください。

マヨネーズも惜しまずたっぷり使って下さい。

3、サラダ本体の豆腐に、ドレッシングの豆腐をかけて完成です!

お好みで、薬味など散らしてください。

 

見た目がアレかも、とはじめに書いたのは、「グチャグチャにつぶした豆腐(やや茶色)がかかった豆腐」だからです……。想像すると、ちょっと微妙でしょう?いえ、あまり想像していただかない方が良いかも知れませんね。

でも、簡単だし、お腹にもたまるし、ちょっとしょっぱいのでおつまみにぴったり! 

盛り付けに自信のある方は、おもてなしなんかでも使えますよ!

レタスやみず菜、グリーンリーフなどをちゃちゃっとあしらって、ミニトマトやフルーツトマト、パプリカなどでイロドリ良く見せれば、ぐっちゃりとした見栄えは断然カバーできます!

ひと手間かけられるのなら、ドレッシング用の豆腐は水切りすると、味が濃くなります。

マヨネーズたっぷり結構ジャンクなようですが、もとはお豆腐ですから。

結構手軽でいいですよ。ぜひ、お試しあれ!

 

ああ眠い ひどい睡魔に 襲われる

今週のお題「ブログ川柳」

 

ふぁぁぁ。

ねむい。

ねむすぎる。

 

最近、通勤電車の中で座った瞬間に眠ってしまうことが多い。

立っていても、つり革に半分ぶら下がった状態で、いつの間にか記憶がなくなっていることすらある。我ながらちょっと恥ずかしい。

ブログの記事を書くのは、なるべく通勤時間中に行うことにしているため、

記事の更新も滞りがちになってしまう。

 

仕事中にも、突然の睡魔に襲われる。

睡魔との戦いは、かなり厳しい。負けそうになるけれど、負けるわけにもいかない。

負けてしまうと、遠い場所に旅立ってしまって、戻ってこられなくなるに違いない。

眠気ざましの目薬をさしたり、コーヒーを飲んだりするけれど、睡魔という名の魔王には、なかなか勝てるものではない。

魔王を倒すためには、やはり、「勇者の剣」のようなもので、断ち切らないといけない。一進一退の攻防ののち、なんとか魔王を退ぞけることができた。だけど、それも一時的なことで、また新たな睡魔が私のまわりにぐるぐると飛び回るのだ。

 

睡魔を操るラスボス的なやつは、確実に存在している。それは、分かっている。分かっているのだけれど、ラスボスの力は絶対で、争うことすらできないのだ。ラスボスが私の前に姿を現わすと、ひれ伏すしかない。

 

睡魔を操るラスボス。

それは、我が家のネコだ。

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とても可愛い。しかし、厄介だ。

 

朝、日が昇る時間が早くなってきている。我が家のまわりにはちょっとした雑木林があって、鳥達がペチャクチャと騒がしく朝のおしゃべりを始める。

そうすると、彼は可愛い耳をピピッと動かして窓の外に釘付けになる。鳥達はどこにいるのかな? 彼の中に宿るハンターの気質が、鳥達を逃せないのだろう。

そして、ふと彼は我にかえる。

 

ぼくは、お腹が空いている。

 

ぼくにゴハンをくれる係の人間は……? まだ寝てるのか。ぼくはお腹が空いてしまったのに。

さて、彼女を起こそうか。

 

そうして、朝の四時頃から、バタバタ、ニャーニャーと騒がしく、私の眠っている布団のまわりをぐるぐるぐるぐる走り回る。

布団から足がはみ出していれば、容赦なく噛みついてくるし、布団の中に潜り込んでは、背中やらふくらはぎやらに噛みついてくる。布団の中に入り込めないときには、髪の毛を引っ張り、噛みちぎる。彼は決して、めげることはない。諦めたりしないのだ。

断固要求が通るまでは鳴き叫び、暴れ続けるのだ。一向に勢力を弱めることのない台風のように。

 

そうして、私は仕方なく朝の四時に目覚め、彼に少しのゴハンを与え、再び眠りにつこうとする。けれど、一度目覚めしまうと、なかなか寝付くこともできない。うとうとし始めた頃には起きなければならない時間がやってくる。

 

そうしてまた、睡魔と戦いながらの一日が始まりを迎えるのだった。

最後に一句。

ああ眠い   ひどい眠気だ   ああ寝たい

 

 

 

今日から世界はまぶしく見える

数日前のある朝。どこからともなく、ペキッ、と音がした。

「ええ?」

と思いながら、手元を見ると今まさにつけようとしていたメガネが壊れていた。左耳にかけるところ(ウデ、ツルなどと呼ばれている部分)が折れている。

 

あまりにも突然のことで、びっくりしながらも「ああ、もうこのメガネとはさようなら、なのかな……」とさみしくなった。

 

私がメガネをかけ始めたのは、高校3年生のころ。黒板の文字が薄ぼやけて見えなくなってきた。父親がメガネをかけていたこともあって、「将来私はメガネをかけるんだろうな」となぜか考えていた。そのため、メガネに対する抵抗感もなくて「やっぱりな」ぐらいの感じでメガネをかけ始めた。

大学生になると、コンタクトレンズを装着するようになった。けれど、私はずぼらな性格に併せて体質的なこともあり、よくコンタクトレンズによるトラブルがおきた。

コンタクトレンズのカーブが眼球のかたちに合わなくて、傷がついてしまったりだとか、 コンタクトレンズの洗浄剤が目に合わなくてアレルギーを起こしたりだとか……。

 

15年近くコンタクトレンズをつけていたけれど、年に一回はコンタクトレンズが問題となり眼科に行くということに対してストレスを感じるようになっていた。

そうして私は、コンタクトレンズの生活をやめて、これからはメガネをかけた生活を送るぞと決めたのだった。

 

メガネはメガネで不便なところもある。花粉症でマスクをつけると、もれなく曇ってきたり。ついレンズを触ってしまって、指紋がべったりとついたままになってしまったり。ほとんどスポーツなんかもしないけれど、気まぐれにランニングをするときにも、確実に邪魔だと思う。実際には「メガネが邪魔そうだな」と思うと、ランニングすらしなくなっているのだけれど。

 

そんな不便なところがあったとしても、かれこれ四年近くメガネは私の顔の一部になっていた。

メガネをかけた顔イコール私の顔、とは言いすぎかもしれないけれど、感覚としてはそうだった。黒ぶちで、四角い形のメガネ。

そのメガネの細い部分が、ペキッと折れてしまったのだ。

 

朝の支度途中のことで、「もう、忙しいときに!」と、とっさに思ってしまった。けれど、その直後に「ああ、もうこのメガネとは、さようなら、なのかな……」という寂しい気持ちがフワフワと私の心に漂い始めて、底の方に静かに沈んでいった。

この何年か、確実に、私の顔の一部だったのに。

物には寿命があるのだから、仕方ないと思うけれど。折れたツルと、レンズの部分を一緒にメガネケースにそっとしまった。

 

私は新しくメガネをひとつ購入した。

黒ぶちの四角い形のメガネ。

前にかけていたものと、かなり似ている。

だけど、違う。

全然、違うのだ。

レンズはピカピカで、世界はまぶしく見える。

それに、まだ私の顔に馴染んではいない。

 

新しくまぶしい世界を見るために。

新しいメガネをかけて歩んでいくために。

また毎日をこつこつと、過ごしていくしかないのだと思う。

 

沼にはまった、そう、あれは中学生一年生のとき。

今週のお題「私の沼」

 

私が沼にはまった、と確実に言えるのは20年近く前のことだ。

 

中学一年生のとき。

クラスの男子が持っていた下敷きにえがかれているマンガのキャラクターに一目惚れしてしまった。

そのキャラクターは、幽☆遊☆白書の飛影。

幽☆遊☆白書のことを知らない人がいるかもしれないので簡単に説明すると、週刊少年ジャンプに連載されていた単行本だと全19巻からなるストーリー。冨樫義博さん作。(最近の作品はHUNTER×HUNTER。休載中)

みんな知ってる体で書くけれど、主人公の浦飯幽助なんかよりも妖怪の飛影のクールな見た目に、「うわー! かっこいい!」と本当に好きになってしまった。

その男子が持っていたのは、週刊少年ジャンプの付録のような下敷きで、頼みこんで五百円で売ってもらった。

 

その下敷きを見るまで、幽☆遊☆白書のことは全然知らなかったので、そこから一気にハマっていった。すでに単行本として出ているものは購入。週刊少年ジャンプは、近所のコンビニで立ち読みして、飛影がたくさん出ている時は購入。アニメも放映されていたので、アニメは録画。さらには一時停止して「写ルンです」で撮影。当時はデジタルカメラはなくて、現像に出してみては一喜一憂していた。

さらには、アニメイトなる、アニメグッズのお店に行っては飛影のグッズを購入。2次元の相手に、なぜそこまでハマるのか、本人も理解出来ないけれど、好きだった。あれは完全に恋をしていた。

 

かなり頭がイかれていたと思うエピソードがある。ストーリーの中で、飛影の片腕が使えなくなるのだ。本当に心苦しくて、アニメでその回を放映された時には泣いてしまった。しかも「飛影が右腕を使えないなんて、かわいそうすぎる。私の右腕を捧げたい」と思った。そして右利きなのに、私も右手を封印して、左利きになると宣言したのだ。

あまりにもバカげていて、家族全員ア然としていた。今の私もア然とする。若気の至りって怖い。っていうか、若気の至りですらない。ただただ怖い。

だけど、そこそこ左利きをマスターしたところで飛影は「邪王炎殺黒龍波」を体得し右手も治った。そして、私のイかれた左利き生活も終わりを告げた。

 

しかし、徐々に「飛影に恋をしても何も報われない」ということに気付き始めた。何をしたって、飛影は目の前には現れない。

少しずつ、単なる幽☆遊☆白書の読者になっていき、飛影への焦がれる想いは薄れていった。中学2年生の夏には、もう「終わりを迎えた恋」のように、しんみりとした気持ちになっていた。そうして私は幽☆遊☆白書沼(主に飛影)から抜け出すことができたのだった。

 

今となれば、なぜあれほどに飛影に無茶になっていたのか、わからない。

けれど、私の心の中には今でも「片思いの相手」として登録されていることは確かなのだった。

みかんケーキを作った思い出

今週のお題「おやつ」

 

私が子供のころ、私の母はよくケーキを焼いてくれた。

お誕生日には、かならずケーキを焼いてくれていた。姉と私でイチゴやらミカンの缶詰やらをゴテゴテと乗せる手伝いをした。もちろん、手伝いと言いながら生クリームをペロリと舐めたり、「全部乗らへんから、食べとくわー」といってつまみ食いもした。

 

母は、いつも手際がよかった。

「ひろちゃん、小麦粉な、カシャカシャってふるいにかけてくれる?」とか、「このクリームな、しぼり袋に入れていってな? ゆっくりでいいから。こぼさんといてな?」とそばで手伝う私に、的確な指示を出していた。

 

お誕生日のケーキ以外にも、母が必ず作ってくれるケーキがあった。それは「みかんケーキ」だった。みかんケーキとは、おそらく母のオリジナルレシピだったように思う。

スポンジ生地のなかにみかんの果汁を加えて混ぜる。だけど、それだけじゃない。生地の焼きあげたあとに、外側からもみかんの果汁をしみ込ませるのだ。

できたてをすぐに食べると、みかん果汁をしみ込ませた生地がベシャベシャしている。ベシャベシャはしているけれど、それはそれで美味しいのだ。

「ちょっと味見してみよか?」食いしんぼうな我が家の女たちは、ベシャベシャしているみかんケーキを少しずつ切りわけては「おいしいなあ」と言いあった。

みかんケーキが本当に完成するのは、焼き上げて、みかん果汁を外側からしみ込また翌日だ。

翌日にはケーキ全体にシットリとなじんで、ベシャベシャした感じもなくなるのだ。

競い合うようにして、私たち姉妹は食べたものだ。

 

我が家は毎年、みかんを大量にもらうこともあって、このみかんケーキは冬になると必ず作ってもらうケーキとして定番化していた。

母があまりにも簡単そうに作るため、小学6年生の姉とと小学3年生の私は「うちらにも作れるんちゃう?」と考えてしまった。

いま思えば浅はかだけれど、姉も私も「自分たちの手でケーキが焼けるんじゃないか?」という素晴らしいアイデアを思いついてしまったたも、作らない、という選択肢はなかったのだ。

 

「次に作るみかんケーキはふたりで作ってみたいねん」とふたりで母にお願いした。

母はわりと大らかな性格で「いいでー。でもオーブンは火傷したらあかんから、取り出す時だけお母さんやるわ。結構重たいから」

といって、実際にオーブンに入れる天板を持たせてくれた。

「取り出すときは、お母さんやるけど。オーブンに入れるときはふたりで入れてな。ゆっくりやったら大丈夫やろ」といってくれた。

 

母が書いたレシピを見ながら、姉とふたりでケーキを作り始めた。せっかちな私は、レシピをよく読まず進めようとしてしまい、何度か姉とケンカしそうになる。そんなときに母は「せっかく美味しいおやつ作ってるんやから、ケンカしたらあかん! ケンカしてる人が作ったケーキをお母さんは食べたくないわあ」と私たちのケンカを諌めた。

 

何とか生地を、丸いケーキ型に流しこんで、あとは焼くだけだった。

ふたりで、そおっとケーキ型をオーブンに入れて扉を閉める。

焼きあがるまで40分。

あとは待つばかりだった。

何度も焼いている途中のオーブンを覗き込んでは、ドキドキしていた。

けれど、覗くたびに不安になった。「お母さんが作ってくれてるときよりも、膨らんでへんな? なんでやろ?」

不思議だった。

もっとムクムクと、膨らんでくるはずやねんけどな? 姉も同じ心配をしているようだった。

「なあ、ひろちゃん。ケーキ、ぺちゃんこやなあ? なんでやろ?」

「なあ? なんでやろか。おかーさーん、ケーキ、膨らまへんー!」

母は、どうも心当たりがあるようだったけれど、笑うだけで、その場では答えてくれなかった。

 

チーン。

ケーキが焼きあがった音がした。

「ほんなら、開けるでー」

そう言って、オーブンの扉を開けた。

もわぁん、と甘い香りが漂ってくる。

うん。いつものにおいやわ。

おいしそうな匂いやし、大丈夫かな?

 

しかし、取り出したケーキは、やはりあまりふくらんでいなかった。ケーキ、と呼ぶにはすこし申し訳ないシロモノだった。

「......もしかして、失敗したん?」

たまらず姉が母に訊ねる。

「まあ、せやねー。ちょっと、混ぜすぎたんやねぇ」

母は、そう言って、ケーキ型からケーキをお皿の上に取り出した。

「最後に小麦粉を入れて混ぜるときに、さっくり混ぜなあかんねん。ぐるぐる、ぐるぐる混ぜてたやろ? あれは、ホンマはやったらあかんねん」

母のセリフに姉と私はぼう然とした。

「え、そしたら失敗なん?」

「なんで、作ってるときに言ってくれへんの?」私たちは口々に母に問いかけた。

「レシピには、さっくり混ぜるって書いたはずやからなあ。ちゃんと読まなあかん。混ぜ方ひとつで、お菓子はぜーんぜん出来上がりは変わってまうからな! 次作るときに勉強になったな!」母は私たちにそう言ってはげましてくれた。

「そしたら、このケーキ、失敗なん?」

ちゃんと泣きそうになりながら、私はたずねた。姉も、悔しそうな表情だった。

「みかんケーキは、あとひとつ、やることあることがあります。さて、なんやろ?」母は私たちに、まるでクイズでも出すように質問した。

「......みかんの果汁をしみ込ませる?」

私たち姉妹は声をそろえながら、母に答えた。

「そうやねん。実はな、お母さんも初めてケーキ焼いたとき、おんなじやってん。ぐるぐる、混ぜてな。膨らまへんケーキ焼いてん。でな、膨らまへんケーキは硬いねん!」

母は、笑いながら、過去に母自身が失敗した経験を話してくれた。

「そこでな、半分やけくそで、外から水分をしみ込ませたら柔らかくなるかなー? って思いついて、できたケーキが、みかんケーキやねんで!」

私はびっくりした。

いつも、上手に焼いてくれる母ですら、失敗したことがあるなんて。しかも、みかんケーキは、失敗から生まれたものだなんて!

「まあ、いつもよりは歯ごたえあるけどな。まっくろこげになったわけちゃうんやし」そう言いながら、母は私たちにみかんの果汁をケーキにかけるように促した。

私たちは、ていねいに、ゆっくりとみかんの果汁をケーキにかけた。

美味しくなりますように、とこころの中で祈りながら。

「明日までおいといたら、中まで染み込むから美味しくなるで」母は私たち姉妹にそう言ってくれた。

 

翌日。

おやつの時間に、みかんケーキを食べることになった。代表して、姉がケーキをカットする。

そろりそろりと、ケーキを切りわけて、母と姉と私の皿に盛ってくれた。

「いただきます!」

おそるおそる、フォークで一口サイズにしたケーキを口に運ぶ。

「......やっぱり、ちょっとは硬いな」

姉がそう言う。

「でも、味は美味しいで!」

完璧主義の姉が「失敗したのは、ひろこのせいや」と言い出すんじゃないかと思って、あわてて私はフォローした。

「初めてにしたら、上手にできてるやん。お母さんは、もうちょっと硬かったわ。なんでも最初っからうまいことできひんよ」

母は、ニコニコしながらみかんケーキを頬張っていた。

姉はまだすこし不満そうな様子だったけれど、食べていくうちに、だんだんと笑顔になってきた。

「また、ふたりで作ってな」母は私たち姉妹に笑顔で話しかけた。

 

はじめからなんでも、うまくできひん。

お母さんだって、はじめは失敗したって言うんやし。

私たち姉妹は、またリベンジしよう! と誓いあったのだった。